Part12:探索的テスト

ことり「じゃあ、最後。探索的テストだよ」

ことり「探索的テストは経験ベースの技法っていって、これまで見てきたような設計をするんじゃなくて、腕のいいテスターが自分の経験則に基づいてバグを見つけていくの」
穂乃果「おっ、職人芸だねっ!」
ことり「うん。だから探索的テストって、素人にやらせてもほとんど意味ないんだ」

ことり「探索的テストでやることとして、Cem Kanerっていう人の定義を引用するね」

  • テスト関連の学習
  • テスト設計
  • テスト実行
  • テスト結果を報告

花陽「あれ、やることはそんなに変わらないんだね」
ことり「そう。テストの本質が変わるわけじゃないから。ただ、テストケースを書かずに、学習と設計と実行を同時並行でやるだけ」
穂乃果「ふんふん、やるだけ・・・って、簡単に言うけどそれすごく大変なんじゃない!?」
ことり「だからプロの仕事なんだよ穂乃果ちゃん」

ことり「探索的テストが優れているのは、テストケースベースのテストと比べて無駄がないから」
花陽「テストケース作らないから、かな」
ことり「もちろん、それもあるけど、最終的に実行するテストの量も全然違うよ」
穂乃果「少なくてすむってことだよね。どうして?」
ことり「バグってね、ソフトウェア全体にまんべんなくあるわけじゃないの。だいたいどこかに固まってるから、テストしながらそこを探り当てて集中的に叩けば、他はざっくりで大丈夫」
穂乃果「ゴキブリには巣がある・・・」
花陽「最低です」
穂乃果「ちょ、ちょっと思い浮かんだだけだってば・・・」


クライテリア

ことり「実際に探索的テストをするにあたっては、まずクライテリアを決めます。要は、合格/不合格の基準」
花陽「テスト計画書に書いたりする終了基準とかかな」
ことり「ん、少し違うかな。探索的テストとテストケースベースのテストは併用することが多いから、探索的テストでどこまでを見るか、っていう基準って考えるといいかも」
花陽「例えば?」

PASS FAIL
各々の主機能がテストされ、ユーザの望む操作ができ、かつそのアウトプットが正しいものである 1つ以上の主機能の実装上の不備があり、ユーザがその目的を達成できない
不正な操作をしたとしても、その後の操作に支障を来さずソフトウェアが正常に動作する 不正な操作があるとソフトウェアが正常に動作しない

高橋寿一「知識ゼロから学ぶソフトウェアテスト」より引用

ことり「一例だけど。このくらい抽象的で大丈夫みたい」


タスク実行

ことり「クライテリアが決まったら、あとは実行だね。探索的テストの実行は5つのタスクから成り立つとされています」

ターゲットソフトウェアを決める

ことり「これはまあ、大体の場合は決まってるよね」
花陽「今からテストしようとしているのがターゲットソフトウェアなんだよね」

機能をリストアップする

ことり「これは、何をテストするかをリストアップする作業。例えば」

  • 全ての画面の表示レイアウト確認
  • ライブは全曲全難易度フルコンで確認
  • 全ての画面で端末のホームキー、バックキー、タスクキーの動作確認
  • ラブカストーンの全決済手段の確認

穂乃果「2番目・・・死ぬよね?」
ことり「そのくらいできないとテスターは務まらないよ穂乃果ちゃん」

弱いエリアを見つける

ことり「ここでは、一般的に対象分野で弱いとされる機能をリストアップします。例えば」

  • 外部システムとの連携(マーケットの課金処理など)
  • 異常処理(強制電源断、通信遮断など)
  • リソース逼迫(メモリやストレージの空きがない状態、ロースペックな端末など)

花陽「なんか、意地悪だね」
ことり「実際、正常系にバグがあることって少なくて、だいたいはこういう際どいところに埋まってるから」

各機能のテストおよびバグの記録

ことり「ここまでの内容をもとにテストをします。バグがあったらインシデントレポートに書いていくよ」
穂乃果「テストケース書かないとはいっても、ここまででちゃんと観点を考えてきてるからそんなに迷わなそうだね」
ことり「もちろん、実際にテストをしていて怪しい動きを見つけたら、観点になくても深追いしていくよ。それができるのが探索的テストのメリット」

継続的なテストの実行

ことり「テストって1回やって終わりじゃないから、探索的テストも繰り返していかないといけないよね」
花陽「あ、この方法だと回帰テストはやりやすそうだね。修正した箇所からどこが怪しいか推測していけるから」
ことり「そうそう♪回帰テストも毎回全部やり直しだと時間かかっちゃうしね」


ことり「というわけで、テスト設計技法はここまでだよ」
花陽「ことりちゃん、お疲れさま」
穂乃果「よーし、これでにこちゃんたちのバグいっぱい見つけるぞーっ!」
花陽「でも、ここまでって機能テストなんだよね?」
ことり「うん。だから非機能要求に対するテストは、まだ別にやらないといけないの」
穂乃果「うえっ、まだあるの?」
ことり「非機能テスト、とっても難しいって聞くね・・・」
花陽「だ、大丈夫です。次は花陽が頑張っちゃいますから!」
穂乃果「おっ、花陽ちゃん、さすがっ!」
ことり「ということは、その次は穂乃果ちゃんだね」
穂乃果「はっ・・・」

花陽「とりあえず、今日はことりちゃんのお疲れさま会で」
ことり「うわさ~のチョコレート」
穂乃果「おーいしー!」
花陽「女子ならワッフルもふもふ」
穂乃果「どーしよどーしよ迷うよねっ!」


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